西ノ京・奈良〜2002.11.02 曇り時々晴れ



今回は久々に「歩く旅」ではなくて、普通の観光旅行のような感じで、唐招提寺・薬師寺、正倉院展を見に行ってまいりました。
ちなみにメインは唐招提寺。
何故かと言うと、唐招提寺では今金堂が完了が平成二十年と言う、大修理中なのですが、その見学会に参加する事になりまして、その日時が11/2の午前だったから。
と言うわけで、朝一番の九時に近鉄西ノ京駅でみりんと待ち合わせ、唐招提寺に行って参りました。

唐招提寺・金堂修理 見学会は朝九時からなのですが、うにたちが到着した時点で、結構人が入っていました。
見学会とは言っても、別に人を集めての説明などはなく、解体現場をロープなどで区切って自由に見学できると言うもの。
金堂の周囲に組まれた足場(かなりしっかりしてる)を上って屋根近くまで。
見学会は11月の二日から四日まで。
初日の午前と言う事で、人は少ない方だったのだと思います。TV各局や新聞の記者さんがいっぱい来ていました。
この金堂修理についてはせっかくなのでアルバムにページ作って、そっちで写真つきで色々書きたいと思ってるので、ここではあまり触れないようにします。
金堂で一時間近く過ごした後、唐招提寺の境内を少し散策。
紅葉の見頃はまだ先だな、と思いつつ、薬師寺へ足を伸ばします。

唐招提寺の金堂解体工事と同じく、薬師寺では講堂がただ今工事中。
両寺とも、メインの建物が拝観できないと言うのは、かなり寂しいです・・・。
それにやっぱり寺院の敷地内に大きな工事用フェンスが立っているのも無粋な感じですしね。
しかし、今回の薬師寺拝観の主目的は、玄奘三蔵院絵殿に奉納されている、平山郁夫画伯の大唐西域大壁画。
玄奘三蔵と言うのは、俗に言う「三蔵法師」の事なんだけど、そのお骨の分骨がここに祭られているんですね。
で、壁画と言うのは平山画伯が三十年の歳月をかけて三蔵法師の求法の精神を描いたもの。
この壁画は毎月5日の玄奘会と、毎年期間を限定して公開してるんですが、この日は公開期間内だったので、見にいってまいりました。
玄奘三蔵院 壁画はサイズが大きい事もあって、かなりの迫力。
でも平山画伯の絵が柔らかいタッチで描いてある事もあり、すごく優しい感じでした。
標高6714メートルの大雪山で、ヒマラヤ山系の須弥山も描かれているんだけど、人を寄せ付けない、厳しい環境のはずなんだけど、心が和んでしまうような。
もちろん、絵を見て人が受ける印象は十人十色ですから、誰もがそう感じるかどうかは分かりませんが。
うにが順路の終わりの方で壁画を見てると、監視員というか、警備員と言うか、殿内にいてるおじいさんが話し掛けてきて、色々興味深い話をしてくれました。
玄奘三蔵院絵殿は、壁画はもちろん、天井・床に至るまで平山画伯が描いたんだけど、天井は群青色に金箔をちりばめ、夜空を表し、床はクリーム色で砂漠を表しているんだそう。
天井の群青色は、なんと、鉱石のラピスラズリを砕いて粉にしたものを何度も重ねて塗って出した色なんだって。
そして両端に金色の円と、銀色の円がかかれたものがあって、金色は月を、銀色は太陽を表してるそうでうす。
床はタクラマカン砂漠を表していて、四角く植物がかかれている部分はオアシスなんだそう。
ラピスラズリで出している色だなんて知りませんでした。おじいちゃん、ありがとう。

薬師寺・東塔 そんなこんなで薬師寺を後にし、奈良に向かう事にしました。
と、その前に、西ノ京駅の西側にある、「がんこ一徹長屋」に行ってみることに。
そこでは一刀彫りや赤膚焼きなど伝統工芸に取り組む六人が住んでいて、工房が見られるというもの。
しかし行って見てびっくり。「入場料500円」とか書いてある!
なんだよー。工房で商売とかもしてるのに、更に金とるの?!って感じ。結局入りませんでした。
ただでさえお寺巡りって結構拝観料かかりますからね。
唐招提寺では入山料600円、薬師寺では壁画公開中だったため800円もしましたし。

気を取り直して正倉院展を見に行くべく、奈良へ。
ちなみに正倉院展は前売り券を購入していたので900円でした。
会場である国立博物館には12時過ぎに到着。
中に入って思ったのが、意外と「空いてる」なと。
もちろん、混んでるのは混んでるのですが、前に中学くらいの時に行った時は身動きできないくらいすごい人だったんですよね。 それが今回は結構うろうろできるし、出品物もほとんど網羅できました。
今思えば前に行った時ってなんかの記念も兼ねてたのかもしれません。すごい有名な琵琶も出品されてたし。
前のイメージが余りに強烈だったので、今回はそんなに期待していたほど感動していない自分がいたりして・・・。
確かに千年以上前のものが残されて、自分の目の前にあるって言うのはすごいと思うんだけど・・・。
普通に別に装飾が施されているわけでもない珊瑚が「珊瑚」って書かれて展示されてたり。見りゃ分かるよ!みたいな(笑)。

それから、興福寺から南に下って、ならまちへ。
雑貨屋さんのようなお店で遅めの昼食を食べ、ならまちをうろうろ。
蚊帳生地を使ったふきんと言うのを購入しました。
すごいじょうぶ。でも家ではあまり使わないのでうに彼にお土産としてあげる予定。
それから、みりんが名高い奈良ホテルを見た事がないというので、外観だけでも見てみようかということに。
入り口からホテルを眺め、入り口付近にかなり普段着なおばちゃんたちが世間話しているのを発見して、「意外とこの格好(かなりカジュアル)で入っても何も言われへんのんちゃう?」 と言って無謀にも中を散策する。
内部は赤いじゅうたんが敷かれていて、少し薄暗く、古い旅館のよう。
結婚式が行われているらしく、正装の人ばっかりでカジュアルな格好の人は皆無。
せめてティーラウンジでお茶でも・・・と思いつつ歩いていると、二階に通じる階段が。
この階段がまたいかにも古い建物にぴったりな、手すり等も黒光りした木で出来ていて、思わずうには「上がったら怒られるかな?」と言いつつ二階へ。
ちょうど上がりきった所に応接セットが置かれていたので、そこでちょっと休憩。しかも記念撮影。
そのままお茶も飲まずにすたこらホテルを後にしました。
泊ってもないのに奈良ホテル内で写真とった人なんて、そういないんじゃないでしょうか。

それから奈良駅前で弟に車で拾ってもらい、奈良を後にしました。
今回は奈良ホテル以外は一度は行った事があるところばかりなので新鮮味には欠ける旅だったかも・・・。
頑張って唐招提寺修理見学会のページも作ろうと思うので、出来たら見てみてくださいね。


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