乾徳山〜2005.05.29 晴れのち曇り



この日は近所のアウトドアショップで見かけた「ハイキングツアー紹介」みたいなので紹介されていた乾徳山。
山頂近くには10m近い岩壁があって、鎖で登る!なんて楽しそう!!
ネットで調べた所、山梨県にあって評判もなかなかのものだし、画像で見るだけでも景色も抜群!これはいかねば!と言う事で即決!
乾徳山は山梨県の北東にあって、後20分も行けば埼玉県に入るような端っこの方。東京の八王子も意外に近く、首都圏から来る人も結構多い様子。
ちなみに周りには100名山が結構ゴロゴロしていて(笑)、2つ3つある。でも車で行きやすいのは乾徳山が一番かなぁ…?

とりあえず山梨と静岡は隣り合ってるけど、なにぶん行き先が山梨県の北東端っこ。行くだけでもかなりな時間がかかるだろうと、家を出るのはなんと早朝5時!だもんで起床は午前4時!早い…。
もちろん前日は22時くらいには寝たんだけど、何となくぼんやり。軽い朝食を食べて出発。
国道414号から246号線→138号線を走り、河口湖の横をぐるっと回って137号線に乗り、山梨市へ向かってひた走る。山梨市に入って県道にちょこっと乗って国道140号線を北へ向かって登っていく。
道の駅「花かげの郷まきおか」の横を通り過ぎて10分か15分走ると感応式信号があるT字路に「乾徳山登山口」の看板があるのでそこを入る。
少し走ると集落らしき物が見えてきて、右手にあるちょっとした公園ちっくな所が駐車場になっているのでそこに車を止める。この駐車場はなんのために作られたのかよくわからないけれど(山登り専用??)10台ちょっとは停められる。しかも無料。いい感じです。

靴を履き替えてさっそく歩き始める。とは言っても最初はずっと集落の中を歩いていくので普通の舗装された道路。でも少し上り坂。
5分ほど歩くと小さな神社があり、その先は舗装が大分適当な林道ちっくな道になっている。この道を2・3分歩くとそこにも駐車できるスペースがあり、釣りに来たような感じのおじさんとか、今から乾徳山登りますって感じの夫婦とかが車を止めていた。
下も砂利で、駐車場と言うよりは単に空き地に勝手に車を止めてるって感じ。まぁ、下と10分変わるか変わらないかくらいだから、よしとしよう。
そこからまた微妙な舗装道路をてくてく登っていくと、やっと「乾徳山登山口」に到着。
登山道自体は人とすれ違うのがやっとなくらい細い道だけど、この「登山口」の看板はやたらと立派(笑)。おかげで迷う事はないと思うけど。
ここで一人で登山に来たらしき5・60歳くらいのおじいちゃんに遭遇。「若い人は早いからねぇ。いつでも抜いて下さいよ」と笑って先に上り始めていった。なんとなくうにの大学時代の先生に似ててほっこり。
登山口でまだまだ元気な写真を撮って、いざ出発!

登山道は最初はどこにでもありそうな植林地の中の細い道をずっと登っていく単調な道。そしてだらだらと登り。
もういきなり息が切れた(爆)。山登りはもちろん、歩きに行く事自体久々だったので体がもうなまりまくり。それになんのおもしろみもない単調な人工林が追い打ち。
かなりバテた感じでもくもく歩く。と言うか歩くので精一杯でした…。
途中、登山口で会ったおじいちゃんを追い抜き、さらにてくてく。登山口から30分ほど歩いた所に「銀晶水」という名前の湧き水があり、そこでちょっと休憩。
湧き水と言っても地面に挿したパイプからちょろちょろと出てる感じ。でも冷たいので一息つくにはちょうどいい。
水に癒されたり飲み物を飲んでいると一度追い越したおじいちゃんが追いついてきた。少し立ち話。おじいちゃんは結構乾徳山にも登っていて、月に2・3回は山登りにでかけるんだそう。すごいなー。元気だなぁ。
少し元気になってさらに先へ進む。しばらくすると人工林を脱出。広葉樹が増えて林内が明るい感じに。
元気になったのもつかの間、またすぐに息が上がってしまう。ほんまになまり過ぎやで、うによ…。うに夫が比較的元気そうなのが恨めしい。
短い休憩を何度かはさんで、やっと錦晶水に到着。こちらも「銀晶水」と同じく湧き水だけど、銀晶水より水量がぐんと多い。
ハンカチを濡らして顔を冷やしたり、水でウィダーインゼリーを冷やして栄養補給したりとゆっくり休憩。
そうこうしている間に抜いてきたおじいちゃんと再会。
ここでまた色々話をする。この先のルートを教えてもらったり。なんとその時おじいちゃんが「いやぁ。本当にねぇ、もう若くないねぇ。70歳を越えるとねぇ〜」としみじみ一言。
えぇっ?!70超?!
いや、ありえへんやろ!!
もうねぇ、かなりびっくりしましたよ。70代でしたか…。脱帽です。見習わなければ。
こんな70代になりたいものです。

今回はうに達がゼリー補給などをしていたのでおじいちゃんが先に出発。その数分後にうにたちも出発した。
ここから先は林床にササが増えて、そこに日が差し込んでなかなか明るくて清々しい道が続く。
林を抜けると一気に場所が開けて、笹しか生えていない所にでる。国師ヶ原と言って、かなりの距離をササが埋め尽くしている。
遠目に山頂らしき影も見えるし、やる気倍増。所々誰かの忘れ物みたくでっかい岩がごろんごろんしているのがおもしろい。
少し進むと道が幾つかに分かれていて道しるべがある。
左行きの道しるべを見ると帰りに行くつもりだったルートらしいので、右へ進む。
がっ。行けども行けども山頂には近づかず。と言うよりも道自体が尾根に沿った平坦な道で登っておらず、しかもだんだん山頂から遠ざかっている…。
これはおかしい!と言う事でさっきの分岐点へ帰る。15分のロス。
何がおかしかったんやろう?と道しるべに近づいてよく見ると……なんと左右を示す道しるべに垂直に延びた道しるべが!
真っ正面から見てたのでこの道しるべに気がつかなかったらしい…。嘘のようなホントの話(汗)。
気を取り直して斜面を登っていく道を進んでいく。
この辺りは足場が石で歩きにくい上に直射日光にさらされるのでちょっとキツい。
でも斜面を背に下を見ればかなりの高さまで登ってきていて下界が一望できて気持ちいい。天気が良ければ富士山も見える所。残念ながらこの日は薄曇りで富士山は見えず。
国師ヶ原の一番上にあるひときわ大きい岩が「月見石」。
原っぱの中に2・3mもの高さの岩。しかも前には遮蔽物も一切なし。こんな所で本当に月見が出来たら最高だろうなぁ。
この月見石の少し下でテントを張ってる人がいたけど、本当に月見したのかな?ちょっとうらやましい。

月見石を通過するとすぐにまた木立の中へ。この辺りもずっと足場が岩・石な上に一つ一つが大きかったりして歩きにくい。
上に行けば行くほど足だけじゃなくて手も使ってでないと登りづらくなっていく。
でも足も気持ちも疲れて来てたので、手の力で体を支えたりして登っていくのはちょっといい気分転換に。だんだん楽しくなってくる。
ここでまたおじいちゃんに遭遇。道に迷ったので追いつくのに時間がかかりました。
足場が完全に岩になった頃、一つ目の鎖場が。ここは鎖が二つあって、一つは古くてもう一つは新しい。
古い方が使えない、ってワケじゃなくて足場の関係で新しい方が登りやすいとの事(その場にいた中年夫婦が教えてくれました)。
さっそく鎖にチャレンジ!
ここは高さ自体3・4mくらいで難なくクリア。
そこから5分ほど進むと今回のメインイベント(?)10mの鎖場に到着!!
チャレンジ前に写真撮ったりなんやかんやしてると後ろからまたまたおじいちゃんが。
おじいちゃんは前回鎖で登ったから、今回は回り道から山頂を目指すらしい。って言うか前回(一ヶ月前)は鎖やったんや…じいちゃん、パワフルすぎ。
気合いを入れて、まずはうにが鎖にチャレンジ!!最初の5mくらいは足場になりそうな所が少なくて、手の力によるところが大きい。ちょうど半分辺りの所にちょっとした岩の出っ張りがあって、一旦そこで止まってうに夫を待つ。
そこから先は足場がいっぱいあるので、鎖でバランスを取りつつ頂上へ。頂上も岩。「乾徳山2032m」と書かれた看板と、小さな社が置かれている。
岩場なだけに大人数がひとかたまりになるスペースはなく、グループごとに固まって座ってる感じ。
うに達が登った時は4・5人くらい人がいて、昼食を食べてる間に人が来たりして10人前後に。
頂上の北東側は木が生えているけども南西側は絶壁。景色はいいが落ち着かない。
この時点で11時過ぎくらい。歩き始めてから4時間くらいかな?お昼ご飯のおいしい事☆幸せ。

ご飯を終えて、おじいちゃんに別れを告げて下山道へ。
帰りは山頂から見て南西にある道を行く。途中、乾徳山の隣の黒金山(乾徳山より200mくらい高い)に続く道もある。さすがに無理…。
こちらの道は行きのルートよりかなり足場が悪く、安定の悪い小石やら砂利やらが多くて滑りやすい。と、思ってたら後ろを歩いていたうに夫がずるっ。
しかも滑った勢いでうにの左足を激蹴り!!い…痛い(;-;)
でもうにの足で止まってなかったらもっと下までずりずり落ちていったかもしれへんし、グッジョブ、うに…。ぐすん。
同様の道をひたすらもくもくと下りていく。こちらは月見石のような見所も特になく、展望のきかない林の中をひたすら歩く。
途中「高原ヒュッテ」という避難小屋があるはずなのに、行けども行けどもたどりつかず。どれだけ先やねん!と言う思いが何度となくこみ上げてきた頃、ようやく小屋に到着。
つぶれた売店みたく、さびれたボロ屋。この前で一休みしてさらに先へ進む。
小屋から国師ヶ原は意外に近く10分ほど。ここから今度は行きに登ってきた道をずっと下っていく。
途中、錦晶水・銀晶水でちょっと休憩をとったくらいで、後はもくもくと下っていく。
さすがに行きよりペースが速く、登山口までにかかった時間は登りの2/3弱くらい。かなり膝に来てたけど、登山口からまた駐車場が遠く感じられてしょうがない。
やっぱりスペースが空いてれば上の空き地に車を止めるべきです。うん。
登山口から駐車場へは結局、ほぼ行きと同じく20分くらい歩きました。ふう。お疲れ様…。

登り始めたのが7時半くらいで、帰ってきたのが14時くらい。ほぼ7時間の登山。うーん、足慣らしにはハードすぎ…。
ここからまた車でえっちらおっちら沼津へ帰る。行きとほぼ同じ道で、途中夕食を買い込み、家に着いたのは17時半頃。朝5時に出て、夕方5時半に帰る。ほぼ半日…。
今回の乾徳山はなかなか楽しかった!キツかったけど。鎖場が楽しかったし、所々展望のいい場所も多くて見応えも良し。あそこからの富士山も見たいので、またこの辛さを忘れた頃に行きたいな(笑)。
今回の教訓は「出来れば近場登山が良し」って言うのと、「出来れば土曜の方が良し」って言うのかな。寝て起きたらもう仕事って言うのは体的に辛い。
遠くの山だと移動がしんどい。特に帰りは疲れ果てて、助手席で何度もかくんっ!って寝そうになりました。ごめんね、うに夫。運転させて。でも途中からは歌を歌いまくってるうちにぱっちり目が覚めました。
また今度どこかいい所を見つけて登りに行きたいです。7月は富士山だろうから、その手前にぜひ一度。



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