滝坂の道〜2002.02.02 曇りのち雨
近鉄奈良駅〜JR笠置駅



この日は近鉄奈良駅から滝坂の道を歩いて円成寺まで行き、そこから柳生までバス、柳生から笠置まで歩く行程を組みました。
久々の長いコースになので、奈良駅9時出発と少し早めにしました。

奈良駅を出発して、途中、春日大社に立ち寄りました。
旅の安全祈願もですが、主目的は「春日様の蔵面守り」の購入。
お正月限定販売みたいなことを聞いた覚えがあるのですが、まだまだ余裕で売ってました。
春日大社を後にして、滝坂の道の入り口目指して住宅地の中を進んでいくと、突然林が出現して、 その中からが滝坂の道です。
滝坂の道
初めは普通の林道ですが、途中から石畳に変わります。現代の石畳と違ってかなり凹凸が激しいですが、 これが江戸時代に敷かれたものかと思うとかなり感慨深いものがありました。
すぐそばを小川がずっと流れていて、所々高低差のあるところで小さな滝があるのですが、その滝周辺では 小枝などに付いたしずくが凍っていて、とてもきれいに光っていました。
そうかと思うと、反対側では岩から滴る水がツララを作っていたり、そのツララから落ちた水が下で凍っていたり。
歩いているときはそれ程寒くなかったのですが、夜はかなり冷えるのだと思われます。奈良市内なのに、見慣れない不思議な光景をたくさん見る事ができて 楽しかったです。

さて、滝坂の道といえば道中にあるたくさんの石仏が有名です。
最初にあるのは寝仏。1mくらいの岩に横に(寝た状態で)彫られています。
一緒に行った友人は「上にあったのが落ちてきてたまたま横になったから寝仏って呼んでるんやって」とバチあたりなことをいってました。
次にあるのが「夕日観音」。西向きの大きな岩に彫られていて、夕日を浴びるところからその名がついたそうです。 ちなみにこの夕日観音の手前にも三体、石仏が彫られています。
夕日とくれば次はやっぱり「朝日観音」。こちらは東向きの岩に彫られています。
でも、夕日観音、朝日観音ともに木々に囲まれていますから、彫られた当時はともかく、今では日の光を直接受けることはほとんどないと思われます。
首切り地蔵 朝日観音を過ぎて、休憩所の近くにあるのが、「首切り地蔵」。首切り、というか首切られ状態で、首と胴体がきれいに分かれています。
これは荒木又右衛門という人が試し切りをした後なんだそうです。(ひどいヤツや、又右衛門!!)
この首切り地蔵の正面の道を進むと地獄谷石窟仏の方へ行く事ができますが、かなりハードな道になっており、しかも個人的には地獄谷石窟仏はそこまでして見るほどのものではない気がします。
ただ、これらの石仏の中では最古のものなので、一度見てみたい人はぜひ行ってみてください。

石仏群を後にして進むと、江戸時代のままの姿で残る、峠の茶屋があります。
「黄門様、茶屋がありますよ!団子、団子♥」「まったく、ハチベエはそればっかりですね」という、天の声が聞こえてきたので、今回はここで一休み。しょうが湯と草餅を食べました。
店の中は少し荒れた感じですが、昔の旅人が茶代のカタにおいて行ったと言う槍や火縄銃が置かれてあります。(っていうか、茶代くらい払えよ…)

茶屋からはしばらく舗装された道が続きます。
ここで、ウォーキングの会みたいな人たちと会いました。年齢層は初老くらいの人ばかりですが、マナーが全然なってなくて、注意したくなるほどでした。
2・30人位いたと思うんですが、広がって歩く(避けようとしない)、棒を肩に担いで歩く(当たるっちゅうねん)等など。小学生並み。かなり不快でした。

舗装された道から再び林道に入って1時間歩くか歩かないかのうちに、円成寺に到着。
12時過ぎだったのでここで昼食。ここまで予定通りのペースで進んできたので少しご満悦。
しかし、休憩所がなかったので、お寺の駐車場でおにぎりを頬張っていました。かなり恥ずかしかった…。
境内は拝観しませんでしたが、バスの時間まで40分くらいあったので、お寺前の池などを見て時間をつぶしました。
この池がなんと凍っていてびっくり。凍っている池って、初めて生で見ました。
ちょうど浮島の所に鴨が5羽か6羽いたのですが、さすがに氷の張っている部分には近付こうとしませんでした。
いくら鴨でも寒いんだろうな…。

ここからバスに乗り、柳生で下車。
「柳生」のバス停のまん前に150年余りの歴史を持つ錦生醸造があります。
ここでは店内で利き酒することができます。
お酒の好きな彼氏にお土産として買うことに決め、でも私自身は日本酒が飲めない(味の違いがわからない)ので、友人に飲ませまくってどれがいいか選んでもらいました。
ちなみに購入したのは大河ドラマにちなんで名づけられた「春の坂道」。
余談ながら、彼氏の感想は、「ぼちぼちおいしかったけど,原酒だったせいか鼻につんとくる感じ」だそう。ぜいたくな。今度連れて行ってどれが好みなのか、飲ませまくってやりたいです。

ほろ酔いかげんな友人を連れて(という程飲んでないはずですけど)店を出て、柳生の町を少し散策しようかとも思いましたが、 柳生の町って剣豪として有名な柳生一族ゆかりの寺社・史跡がいくつかありますが、結構点在していて、回る余裕がないと思い、柳生を後にしてさっそく笠置へ向かうことにしました。

いきなり道に迷いました(笑)。
先ほどの柳生のバス停のところにある、東海自然歩道の看板を信じるまま、看板横の階段を上がっていったのですが、5cmくらい落ち葉が積もり(踏まれた形跡ナシ)、 傾斜40度くらいあるだろう坂道を延々と上らされ、休憩所があると思えば草が生い茂り、看板も倒れかけと言うありさまで、友人と「おかしくないか?」と地図を改めて確認したところ、 間違った道を進んでることに気付きました。
本当の東海自然歩道は柳生の町の北西部にある「十兵衛杉」の前を通っているのです。
途中でその道をはずれて東海自然歩道に復帰。改めて笠置を目指しました。

子宝が授かると言う阿対の石仏(あたやのせきぶつ)を超えると、道が分かれており、左は歩道もない山間の車道、右はこれでもかと美しく舗装されたゴルフ場へのみちとなっています。
左かな、と思いきや、右が正解。これでも東海自然歩道です。
右手に広大なゴルフ場を眺めながら歩いていき、ゴルフ場への門を超えて10数メートル。いきなり道が砂利道に変身。
お金持ちの方々に見えないところはどうでもいいんでしょう。でも少しほっとしながらゴルフ場を後にしました。(肩身狭いんですもん)

笠置寺内 このゴルフ場と笠置駅前付近との中間辺りにあるのが笠置寺。
この笠置寺は修験道の行場でもあったという事で、修行場めぐりができます。
山門を入って正面に鐘があったので早速つこうとしたら立て札がかけられていて「つきたい方は12月31日午後10時より…」大晦日かいっ!かなり拍子抜け。
温泉に入るには少し時間が早かった(3時頃でした)ので、めぐっていくことに。
笠置山は花崗岩からなる巨石が多く、これらの岩で一風変わった景色となっています。
途中、太った人は絶対通れないぞと言う「胎内くぐり」や「蟻の戸わたり」などを通過。「二の丸」辺りからの景色はかなり絶景。
と、どこかで見た覚えのある景色…。
そう!よく見ると以前歩いた木津川沿いの道のちょうど上になるんです。
あやしい廃病院もばっちり見えました。

笠置寺を後にして、わかさぎ温泉までひたすら降りる、降りる、降りる。
途中、普通のベランダっぽいところに目をやって、一瞬意識が飛んでしまいました。
何気なく手すりにかけられている暖かそうなそれは、いのしし&狸の毛皮…。
ベランダからそのまま視線を向かいにずらすと、そこには「ボタン鍋」の看板…。
さすがに毛皮みた後だと食欲減退です…。
しかも毛皮たちに気を取られすぎてまたも間違った道を進んでしまい、かなり遠回りしてしまいました。

わかさぎ温泉は前回よりは少し人が多かったのですが、相変わらずゆったり入れて、かなりリラックスできました。
笠置寺付近から雨がぱらついてきていたので、少し冷えた体を十分に暖めて、帰途につきました。

次回は東海自然歩道からは少し外れるかもしれませんが、月ヶ瀬村の梅林へ行く予定です。
そして月ヶ瀬温泉へゴー!


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