アメリカ西海岸国立公園巡り(前半)〜2010.12.25〜2011.01.01 晴れ時々雨時々雪



アメリカに住んでいる間、とにかく行ってみたい国立公園がデスバレー(Death Valley)とグランドキャニオン。
デスバレーの方は夏はとにかく暑いらしく、3月には最高気温が30度を超え、6〜9月は40度を超える地域のため、オンシーズンは冬というので、デスバレーを一番の目的に。
で、せっかく行くなら他にも行ってみよう、と言う事で、比較的近いセコイア(Sequoia)とヨセミテ(Yosemite)にも足を伸ばし、ついでにロサンゼルスに寄って帰るコース。デスバレーの最寄りの大きな空港はラスベガスなので、ラスベガスもついでに見られたらいいな〜、と言うかなり盛りだくさんな計画。
しかもデスバレー〜ヨセミテはガイド(地球の歩き方)にも載ってるようなコースなのに、冬はその最短ルートが雪のため閉鎖されるので、実はシエラネバダ山脈(デスバレーと、セコイア・ヨセミテの間に南北に広がる)を南側から遠回りをしなければならない。
でも今回は日を多めにとったので、北回りとは違う行程を組んで、一応は大丈夫そうかな?
25日は夕方6時の飛行機だったので、お昼ご飯を家で食べて、のんびりと出発。
今回駐車期間が長いので、空港からは離れてるけど料金の安いエコノミーパーキングへ。が、敷地の半分が建て替え?してるようで使用できず、おかげで屋根付きの1・2階は満車。屋上階に停める事に。雪大丈夫かな。
でもそのおかげで西の空に少しだけ彩雲(虹色の雲)が見えてラッキー?けどエレベーターまで工事中で一階まで荷物を押してスロープで降りる事を余儀なくされる…。とほほ。
シャトルバスで空港へ行き、手続きして晩ご飯(マクドナルド)を食べて搭乗。飛行機はやや遅れて離陸。
飛行機内は夜と言う事で電気が暗くなって、うに次はもぞもぞ、ちょっとイヤイヤしながら就寝。うにっ子も遊んではいたけど、最終的には疲れたのか眠りについた。
飛んでる間たまに外を見ると、意外と都会部分を飛んでいたのか?所々で大きな都市(の光)が見えた。
出発は遅れたのに、到着は予定よりはは早め。なんで?「あの派手目の街の明かりはもしかしてラスベガス?」と思ってたらその通りだった。
6時間くらいのフライトで、でも時差が3時間あるので、到着時間は午後8時40分頃(東海岸時間では11時40分くらい)。なんか変な感じ…。
さすがのラスベガス、飛行機降りて、空港のロビーに既にたくさんのスロットマシーンが設置されてる。
空港から少し離れた所にあるレンタカー会社の集まったレンタカーセンターとでも言うべき建物があり、そこへ向かうシャトルバスに乗り込む。
車を予約していたレンタカー会社は、何か割引とかをやってたのか?そこだけ長蛇の列。疲れてるであろううにっ子・うに次をなだめつつ(うに次はちょっと寝て元気なつもりか、普通だったけど)、待つ事なんと2時間!!長すぎる…。
しかもセダンを予約してたのに出払ったとかでミニバン…。でかいけどさ…。デスバレーってイメージじゃないんだけど(個人的に)。
ネバダ州はしっこそれはそれとして、現地時間でももう11時。早くホテルに行って子供たちを寝かしつけねば、と言う事でさっそく乗り込んで出発。
が、うに夫がカーナビの行き先をホテルに設定したらやたら北へむかって走っていく。あれ?空港そばのホテルを取ったはずなのになぁ、と思って見直したら、何故かボストンの空港に行き先設定されてた…。なんで?すぐ気付いて良かった。
改めてホテルに設定してラスベガスの街を疾走。
まー、とにかく派手な街。あっちでピカピカ、こっちでキラキラ。しかも11時だって言うのに街を歩いてる人の多い事!不夜城ならぬ不夜街。
うにっ子もライトアップされるお城を見つけたりして喜んでいた。うに次も看板見て「がおー!いた。がおー(ライオン?)」とはしゃいでみたり。
やっとこさホテルに到着したら、駐車場がかなりいっぱいになっていて混んでる様子だった。
無事チェックインも終えて、何はともあれパジャマに着替えてこの日は就寝。みんな爆睡。初日からお疲れ様でした。

12/26、二日目。時差があるから早く目が覚めるかな?と思ったけど、やっぱりみんな移動で疲れたらしく、現地時間の7時にセットした目覚ましによって起こされる。
ホテルで朝食を取った後、ラスベガスの端っこのホームセンターにて旅行中の水やらうに次のおむつやらを買い込んでいざ出発。
ホームセンター自体が都市部の端っこにあって、ちょっと走っただけで建物がほとんどない荒野の真ん中を道が走ってる状態に。たまに見える家もマサチューセッツとは全然違う。遠いところまで来たもんだなぁ。
走り始めた時には離れて見えていた、木も生えてない山の間をぬって走る道を突き進む。山の合間辺りでは急に天気が悪くなってまさに曇天。大丈夫かな?と思ってたけど、山を抜ける辺りではまた晴れてきて一安心。
そして山を越えるとまた何もない荒野が広がっていてびっくり。でもぽつぽつと町(村?)があったりして、そこそこ車も走ってる。
デスバレー国立公園内最短ルートはCA-190を走って北からデスバレーに入る道なんだけど、地球の歩き方曰く、「もっとも景色の良いルートは南からデスバレーに入って北上するルート」との事なので、せっかくだし景色のいいルートを走ってみる事に。
最短ルートへ行かせようとあの手この手を使うカーナビを無視しまくり、ガイドのアバウト過ぎる地図に悪戦苦闘し不安を覚えつつも何とかデスバレー国立公園の看板を発見。
ちなみにデスバレー国立公園はアラスカを除くとアメリカで最大の国立公園で、その面積は福島県の大きさに近いんだとか。って、福島県?!でかすぎ…。改めて調べたら日本で三番目に大きな県ですが…。それと同じ大きさの国立公園…。スケールが違いすぎる。
国立公園に入ると当然ながら家などの建物はほとんどなく、植物もまばらな岩山や荒野が広がっている。西の方にはシエラネバダ山脈がそびえ、少し北の方の山頂には雪も積もってる。なんとも壮大な景色。
走ってる車もまばらでなかなか気持ちのいいドライブ。途中、ぽつんとトイレのあるところで休憩。車を降りるとしーんと静かで、たまに鳥の鳴き声が聞こえるくらい。風があって、想像してたよりはやや涼しい。
このどこまでもに広がった荒野は日本では見られないなぁ。
休憩後は道をずっと北上。デスバレーのうに家的一番の見所のバッドウォーターに到着。
バッドウォーターは白い塩原が広がり、塩の結晶が見られ、海抜はマイナス85.2mと西半球でも最低ランクなんだそう。
がっ。
前々日くらいに西海岸では大雨が降ったそうで、いつもはカラカラに乾いているバッドウォーターにも雨水がたまり、大きな池が出来ていた…。しょぼん。
ある意味「潤ったバッドウォーター」を見られるなんて貴重な体験なのかもしれないけど、せっかく期待してたのに…。残念。
道路ではぽつぽつとしか車を見かけなかったけど、さすがデスバレー最大の見所の一つでもあるバッドウォーター、駐車場もかなりいっぱいで、人がぞろぞろと歩いてた。
塩原部分は上記の通り池になっていたけど、その周りやそこへ至る道はある程度乾いてきていて白い砂みたいな塩だった。うに夫に半ば無理矢理なめさせてみたけど(笑)、あんまり塩っ辛くなかったみたい。むしろ普通に砂っぽい?と言ってた。
バッドウォーター池まで行って帰ってきて再び北上。途中いくつか見所もあったけど、ちょうど昼時でうにっ子・うに次がぶーぶー言い出したので、何はともあれビジターセンターのあるファーニスクリーク(Furnace Creek)へ。
この周りだけ木々が生い茂っていて、まさにオアシスの様子を呈している。お店もここに集中してるので、当然人もたくさん。どこから集まったの?と言う感じ。
レストランにて食事をし、隣のお土産物屋をうろうろして再出発。
お腹がいっぱいになったのか、うにっ子・うに次は走り始めて早々に昼寝。おかげで途中の砂丘などには寄らず、走り抜けながら見るだけに終わる。ちょっと残念。
残念と言えば、デスバレーでは「動く石」というのが有名で、干上がった大地に、動いた跡を残した石がぽつぽつあるらしいけど、デスバレーの中心部からはかなり離れていて今回は行けなかった。見てみたかったんだけどな。
今日のホテルまではかなり遠い(デスバレーから約3時間)ので、後はどんどんひた走る。途中、デスバレー国立公園を出た辺りで運転を交代(だって他に車もほとんど走ってない、まっすぐに延びる道だったし)。
名も知らぬ町のレストエリアでトイレ休憩をしてまたうに夫にバトンタッチ。そうこうしてる間にだんだん太陽が傾いていって薄暗くなってきた。
行く道々、寂れた町があったかと思うとまた岩山ばかり、なんて光景が続いて、ホントにちゃんとしたホテルとかがある町があるのか?と不安に思い始めた頃、比較的大きな町が見えてきて一安心。今日の宿泊地リッジクレスト(Ridgecrest)に到着。
晩ご飯にはちょっと早かったので、先にホテルにチェックイン。チェーンホテルを取ったけど、綺麗でよかった。荷物を運び入れてまた外へ。晩ご飯はチェーンレストラン、デニーズにて。
観光地でも何でもない片田舎の町だからか、他に東洋人がいなくて、何だか新鮮な気分。たいてい、日本人じゃなくても中国人か韓国人はいるのにな。
ホテルに戻ってお風呂に入り、ゲストランドリーで洗濯をして就寝。みんな大移動に疲れたらしく、ばたんきゅう。

無数の風車12/27、三日目。今日も目覚ましの音でお目覚め。ぐっすり寝ました。
ホテルで朝ご飯を食べ、ガソリンを入れてから町を出る。さらばリッジクレスト。もう来る事はないでしょう…。
リッジクレストから南に下り、昨日と同じく、何もない荒野の間をどーんと延びる道をひた走る。が、何もないと思ってたら気がつけば横を線路が併走していてびっくり。電車は見えなかったけど。
途中、平坦でまっすぐな道が続いたので、運転を買って出る。ご機嫌で走ってたら道を逸れて、山地を走るハイウェイに乗ってちょっとあわあわ。
そのハイウェイに乗ってすぐ辺りの山々にものすごい数の風車が設置されていて驚いた。風が強い地区なのかな。とにかくすごい数。数え切れない。置けるだけ置きました、って感じ。数十できかないと思う。
その後道はアップダウン、左右カーブを繰り返して山を越え、平野部を走るハイウェイに。気がつけば山からはだいぶ離れてた。ちょっと都会っぽい所を通り抜け、郊外へ。
ちょっと疲れてきたし、交通量も増えてきたので運転を交代しようと思うけど、レストエリアはなく、しばらく走った先にあったハンバーガー屋でトイレ休憩&運転交代。ちなみにそれまでうに次はちょっと寝たけど、うにっ子はあれこれおしゃべりして起きていた。
うに夫の運転でハイウェイを北上。季候がいいらしく、ハイウェイの両脇には見渡す限りの果樹園。オレンジやらブドウやら。ブドウはカリフォルニアワインになるのかな?とも思ったけど、途中にアメリカでは有名なレーズン会社の工場があったので、レーズンにもなるのかも。
トゥーレアリ(Tulare)と言う、二日後に宿泊予定の町に寄って昼食&買い物。
これから行くセコイア・ヨセミテ公園はチェーン規制がある場合があるので、チェーンを調達に。
返品大国アメリカの事、ネットで「チェーンは買って持って行って、使わなければ返品すれば良し」と言うのを見てなるほど!と思い、オートショップにてチェーンを購入。これが後にプチ問題を引き起こすのだけど…。
ついでに、今日明日泊まるホテルは食事なしなので、晩・朝用にパンやらレトルト食品やらを買い込んで出発。
今日はセコイア国立公園内のホテルに泊まるので、ホテルをカーナビの行き先に設定して出発。トゥーレアリからホテルへは北から行く道と南から行く道があるんだけど、カーナビは北からを指定。それに従って山へと突き進む。
山に入るまでは道の両側見渡す限りオレンジ果樹園。山に入ってからは放牧されてるらしい牛の姿がやたら目についた。
しばらく走って標高が高くなったら雲に突入したのか?もやがかかっていて視界が悪い。それを抜けると、眼下に雲海が広がっていていい眺め。
国立公園に入って木が大きくなってきたな〜とか言いつつホテルへ向かってたら突然通行止めのゲート。…あら?
グラント将軍の木それを抜けるともうちょっとでホテルなのに?!ちょうど巨大除雪車がゲートの奥からやってきていたのでうに夫が聞いてみたら「そやねん。通行止めやから通られへんで。南からやったら行けるけどな〜」みたいな事を言われたそうな。しくしく。ちなみにどれくらい時間かかるの?と聞いたら1時間45分くらいと…。もう3時くらいだったのに…。
とぶちぶち言ってもゲートが開くはずもないので、南へ回る事に。
その前に、このゲートへ来る分岐のもう一方の道を進んだところにあるグラント将軍の木(General Grant Tree)を見に行く事にした。セコイア・キングスキャニオン国立公園内で三番目に大きな木。
行く途中、車がいっぱい停まってて人がどんどん降りてる場所があったのでここかな?と思ったら、ここは雪遊びエリアだそう。気を取り直してまた車で一番下の駐車場まで降りていく。
車を停めたら少しトレッキングコースを歩く。駐車場の周りからして巨大なジャイアントセコイアがにょきにょき生えていて圧巻。
グラント将軍の木までの道は多くの人に雪が踏みしめられててつるつる滑ってちょっと危ない。でも倒木を利用したトンネルとか、見所もたくさん。遠目に将軍の木が見られる写真スポットで写真を撮り、いざ将軍のお膝元へ。
近くに来るとまぁ、大きな事。ありきたりな言い方だけど見上げてると首が痛くなってくる。
しかしそうこう言ってる間に周りは薄闇に包まれつつあり、太陽が傾いてきているのがわかる。これは大変、と慌てて車に戻り、ホテルへ向けて出発。
来た道をただただ戻るのは悲しい…。山を下りて果樹園の辺りまで戻り、その先もくねくねと果樹園内の道を走り抜ける。この頃には日はもうとっぷりと暮れていた。
まだクリスマスデコレーションを施した家が多かったので、うにっ子が喜んで見てたのが救いかな。
道は再び山間を進むようになり、それにつれて果樹園はなくなっていった。途中チェーンのホテルを見つけて、あぁ、ここが今夜の宿ならどれだけいいか…と思ったり。
国立公園の入り口についた時にはやっとか、と言う安心感と、まだ着かないのね…と言う疲れが。
この入り口ゲートで入園料(20ドル)を払って公園内へ。真っ暗すぎて、道の向こう側がどうなってるのか(崖なのか、川なのか)も全くわからず。
最初は「かっかー。だっだー」と私とうに夫を呼んで遊んだりしてたうにっ子・うに次が静かになったな、と思ったら眠ってた。疲れたのかな…。ごめんよ。
途中、工事してる部分があって、信号が設置されてた。「最大で20分待ってください」と書かれてて、こんな時間(もう8時くらい)に車なんか来えへんやろ、行かせてって…と思ってたら対向車が二台くらい来た。後ろからはバイクが一台。この暗さで上は雪って言ってるのにバイク…。すごいな。
チェーン履いてね、と看板があったけど、そのまま行けそうだったのでそのまま。
ずっと走って行くと通行止めのゲートがあり、そこの右手に入ってくと、今夜の宿、ワクサチロッジ(Wuksachi Lodge)に到着。やっとだ〜〜。
車を停めてエンジン切ったら、ものすごい数の星が見えて、しばし見入ってしまう。今までで一番かも。子供たちが寝てるので、うに夫一人にチェックインに行ってもらい、その間は星空観察。
部屋は時間が遅かったからか?端っこの方。駐車場も近いところは埋まっていて残念…。持てる限りの荷物を持ち、子供たちを連れて(荷物ごそごそしてたら起きた)部屋へ。しかもエレベーターがないとか…。うぅ、厳しい。
部屋に入って少しくつろぎ、その間にうに夫が残った荷物を取りに行ってくれ、もう限界だった私たちはパジャマに着替えて早々に就寝。この日は結局晩ご飯を食べなかった…(子供たちは道中、ベーグルやらカップケーキみたいなのやら食べたけど)。


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