柳生街道〜2002.09.14 曇り
円成寺口〜柳生



以前、奈良から円成寺までは歩いたので、近鉄奈良でみりんと待ち合わせをし、バスで円成寺口まで行き、そこから歩き始める。
奈良から柳生行きのバスに乗るも、バスはすごい人。
しかも会話の中身から判断するに、ほとんどの人が円成寺で降りて柳生に歩く人らしい。
あまり人いっぱいの中歩きたくないなと思いつつバスに揺られ、円成寺に到着。
結局他の中年層がお寺を拝観してる間に歩き始めたため、一緒に歩かずにすみました。
ちなみにこの円成寺、前に来た時は二月で、池に氷まで張っていた(旅日記’02.2/2分参照)ので、 かなり雰囲気が違って見えました。

円成寺からは両脇を竹やぶや雑木林にはさまれた狭い農道のような道を歩いていきます。
あまり景色は楽しめませんが、小さな畑や田んぼが所々あり、しかもこの季節、刈り取りを待つ稲穂がきれいで「日本のふるさと」の雰囲気。
途中は結構こまめに東海自然歩道の道しるべが立っていて進みやすい。
ただ、一箇所だけ、これはさすがに間違えてるんじゃないの?という標識が。
それまで進んでた道をいきなり外れ、雑草生い茂る、細いあぜ道のような道を指してるんです。
これを信じるのはちょっと・・・と思い、標識を無視してそのまま歩いていくと、稲の刈り取りをしてたおじさんが、 大きい声で「そっち行っても柳生いかれへんよ〜〜〜〜!!!!」
夜支布(やぎゅう)山口神社 多分間違える人いっぱいいるんでしょうね。
結構離れた場所から言ってくれて、すごいうれしかった。助かったし。
と言うわけで、気を取り直して怪しげな横道へ。
雑草はちくちくするし、二人並んで歩けないし、うっそうとした林に囲まれてまっくらだしな道を進む。
すると、見慣れた東海自然歩道の道しるべが!!
合ってたんだ。おじちゃん、ありがとう!!

この先も雰囲気はあまり変わらず、田舎の農道のような道をてくてく進んでいきます。
途中、大柳生バス停近くを通り、しばらくすると夜支布山口神社に到着。これ(夜支布)で「やぎゅう」と読む所がすごい。
ちなみにこの神社では一年交代で当家(とうや)と呼ぶ集落の長老の家に神様の分霊を祀り、「柳生の太鼓踊り」というのが行われるそうで。
ちょっと見てみたい。歴史があって、でも過疎とかの関係で廃れつつあるんじゃないかと心配もしてみたり。

夜支布山口神社を後にし、大柳生の集落を横目に見つつ、山の裾野を北に向かって歩いていきます。
昔ながらという感じの家屋の間を、時々畑を発見し、たわわに実ったナスだの豆だのを見つつ進む。
見下ろすと刈り取りが終わった田んぼ、まだ稲穂が揺れてる田んぼがあり、彼岸花が咲き始めて、虫の声が響いてる。日本の秋を体全体で感じるような。
大柳生を見下ろす
しばらく進み、南明寺というお寺の境内で昼食。
元気も回復して先へ進むと、おふじの井戸なる井戸が。
柳生新陰流の開祖、柳生宗矩がのちに妻に迎える農民の娘「おふじ」に一目ぼれした出会いの場所なんだとか。
しかも交わした言葉が、宗矩:「洗濯をしてるようだが、たらいの中の波はいくつじゃ?」おふじ:「お殿様が乗ってる馬の、今日歩いた歩数はいくつですか?」
なんか・・・・・・一休さんとお殿様の掛け合いみたい。
殿:「この屏風の虎をひっつかまえよ!」一休さん:「では準備できたので、虎を追い出してください!」ってヤツ。
でもまぁ、このおふじの気の利いた辛口ジョークに宗矩はメロメロだったみたいです。はい。
ちなみにおふじが「七三(なみ)は二十一です」と答えた説も。こっちの方が洒落てて個人的には好きです。

しばらく進んでいくと、だんだん道が山の方に向かっていきます。
するといきなり道が山中にまっしぐらに進んで行き、どう見ても2・30度はありそうな急傾斜の山道に大変身。
しかも足元が、柳生街道を意識して作ったのか、石畳風。すごくつるつるしてて滑りそう。
見上げても見上げても平坦にも下りにもならない昇り斜面がずっと続きます。
ホント今までで一番まいったかもしれないです。林に囲まれてて昇っていく爽快感みたいなのも全然ないし。
足が棒になりそうな気が遠くなりそうな時間が20分か30分続いて、標識を発見。
そこが頂上で、坂原峠とある。そう、峠越えだったんですね。
でも本気でつらいです、あそこは。足に自信ない人とか高齢者には無理だと思います。

家老屋敷 下りに入ってペースは上がり、足元のつるつるした石畳に神経奪われつつ柳生へ。
途中、柳生に降りる手前に「疱瘡地蔵」があります。
疱瘡っていう病気に霊験があるというお地蔵様ですが、その右下に徳政の一揆が成功した証の碑文が刻まれています。
そこから柳生の集落に入り、家の間を歩いていきます。
所々野菜の無人販売所等があり、なかなかおもしろい。ゴーヤとか冬瓜とか売ってました。
家老小山田主鈴の旧屋敷は入場料300円。
内部には靴を脱いで上がるのですが、中はそのまま残った部屋に食器や甲冑、写真等が展示されています。
ちなみに個人的には展示品よりも部屋から見る庭がすごく心に残っています。

家老屋敷を後にし、缶ジュースでちょっと一息入れ、今度は自然歩道からはずれ、レイクフォレストリゾートへ向かいます。
ゴルフ場がメインのリゾートホテルなんですが、温泉が沸いてるんですよ!もちろん温泉が目的。
ちょうど柳生の酒造屋さんから東に伸びる道を進むのですが、お酒屋さんの前にレイクフォレストの看板が。
ここより2.5キロ。今まで歩いてきた私とみりんにとってはあっというまな距離じゃないですか・・・!!
・・・・・・・・・・・・だまされました。いつまで歩いても看板すらみかけないし。
やっと入り口見つけたと思ったらそこからホテルまでがまた長い!入り口からだけで十分2・3キロあったような。
しかも歩く人なんかいないし、通りすがる車の人々が奇異の目でじろじろ見るし・・・(っていうか乗せてよ!!)。
ホテル着いた時点でもう二人はぼろぼろでした・・・。
温泉はお湯はなかなかいい感じ。お肌つるつるです。あまり混んでおらず、ゆったり入れる。
ただちょっと浴槽が少なくて狭いかなと。スペース自体は大きいので、浴槽繋げて大きくするとか、もう少し違う入浴スタイルの浴槽作るとか、 なんとかならないものかという感じですね。がらんとしてて物足りない。
でも露天風呂はなかなか。ちょっと狭いけど。風が冷たくて気持ちいい。
1500円でタオル・バスタオル付き。後、リラックス・ルームのちょっとリッチなマッサージチェアが無料。これは嬉しい。
ちょっと遠いですね、歩いてくるのは。
けど後で発見したんですが、柳生から送迎バスがある!奈良からのは一日三便なのに対してこちらは一時間に一本程度。しかもTELしたら迎えに来るとか。
それ先に言えよ!!って感じでした。HPに書いておいてほしい・・・。

近鉄奈良行きの送迎バスに乗り込んでレイクフォレストを後に。
心地よい揺れと疲れのせいでバスではうとうと。
気がつくともう奈良市内。県庁前でした。送迎バスはいいですね。楽だし。
今回は柳生まではかなり楽しめました。やっぱり秋はいいですよ、行楽に最適です。
レイクフォレストは無謀でした・・・。ゴルフ場は歩いていくもんじゃないです。
次回は10/26の曽爾高原。楽しみです。乞うご期待。


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